主に、LightWave3Dに関する事を書き記します。
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この文章を打ってる間、メインとサブ両方のPCがレンダリング中だったりします。
まさに絵に描いたようなお手上げ状態なので、これを機にレンダリングに関して書き記していこうと思います。
LightWaveで動画素材をレンダリングする場合は膨大な時間の「待ち」が必要になる。
特に、個人制作は環境に恵まれていない場合が多いので、最悪の場合クオリティを落としてでもレンダリングスピードを優先することがあります。
だけど、良いものを思い通りに作りたいのにこの壁に阻まれると思うと悔しい気持ちが強いですね。
その待ち時間を少しでも短縮出来ないかと実践した自分なりの工夫していることと思ったことをここに書いていきます。
まずはレンダリングが遅くなってる原因はどこにあるのか?
これが分かれば原因を解決するべきところを、どのように抑えていくかを考えていけますね。
【オブジェクトや質感など】
1.『カメラ内に映っているオブジェクトアイテム数とポリゴン数が多ければ多いほどレンダリングに時間が掛かる』
あくまで感覚で感じたことですが、これはドミノで学んだ教訓です。
アイテム数は出来るだけ最小限に抑えるかシーンファイルを分割するとレンダリングスピードが向上します。
ドミノアニメーション制作時で実感したのは各カメラが同じ設定にも関らず、レンダリングに掛かった時間がどれも異なっていた事。(主にアイテム数が多く映るシーンはレンダリングに時間が掛かった。)
これを避ける為にカメラの向きを上手く考えて必要なアイテムが映るアングルで撮ればレンダリングを早める事が出来ます。
ポリゴン数もレンダリングスピードに関係あると思いますが、それでも全体のシーンを含めて3万ポリゴンくらいだったと思いますのでその程度のポリゴン数ならメインPCのスペック(core i7)だとすぐに計算することが出来ます。
もし、ポリゴンが原因でレンダリングスピードに影響があるのならAPS(アダプティブ・ピクセル・サブディビジョン)を使用するとカメラとアイテムの距離間でポリゴン密度を調整することが出来ます。
でも、今回の膨大なドミノという単純形状では使用出来ません。
山や崖といった凹凸が激しくて膨大なポリゴン数を必要とするシーンには有効な手段です。
LWのチュートリアルに載っていますので参考にするととても良いですよ♪
2.『ファー(FiberFX)やサブサーフェイススキャッタリング(SSS)は静止画向き』
静止画でさえレンダリングに時間が掛かる機能は、アニメーション作成時には極力避けています。
ノードや変位マップ(ディスプレイスメントマップ)で作り出された形状や質感によってはレンダリングに時間が掛かるものがありますので充分に考えてから使うと良いですね。
【レンダーオプション】
1.『動画だからと言って動画形式でレンダリングするのはリスクが大きい』
動画形式のレンダリングだと出力した動画にバグがあったり、レンダリングを途中で中止したりすると全てを失って最初からレンダリングする事になります。
動画編集ソフトがあれば静止画の連番画像でレンダリングしていく方法が無難です。
そうすれば、バグのあるフレームだけをもう一度レンダリングしてファイルを置き換えれば済みますし、途中でレンダリングを中止しても途中経過の画像が残っていますので、中止したところから再スタートすることが出来ます。
※レンダリングした素材のバグの大抵の原因はアプリの複数起動で別作業を行なっている時に起こり易いです。
レンダリング中はなるべくPCに負担の掛からない簡単な作業だけにするか、放置しておくのが吉です。
2.『分割メモリ設定って数値上げればレンダリング早くなるのか?』
32/64Bit環境の分割メモリ設定【Segment Memory Limit (MB)】が最大2000MBまでしか認識してくれませんが、マニュアルにはビデオ出力(NTSCやPAL)の場合は18MBで充分みたいですね。
これを最大値の2000MBにすれば全てのメモリが使われるわけではなく、またレンダリングは早くなるわけではないようです。
レンダリングに用に確保するメモリ量は、このご時世のPCのメモリなら雀の涙程度でOKです。
3.『ラジオシティの使用』
v9から改良されて計算が速くなったみたいですね。
リアルなライティングを実現するにはこの機能はとても必要になります。
う~ん、単純な質感だとそんなに時間は掛かりませんが、シーンが複雑になってくるとこれもレンダリングが遅くなる一つの原因になります。
対処法はスポットライトを多用してシャドウマップを細かく設定すればリアルに近いライティングを作り出す事が出来てレンダリングの計算が速くなります。
でも、あくまで擬似的にリアルに魅せているのでアニメーションによってはボロが出る場合があるので注意が必要です。
両方を交互に使って双方のレンダリング結果を見比べて違和感が無いほどのライティングを作り出す事が出来れば理想的ですね・・・ここら辺はクリエイターの腕の見せ所です。
【カメラのアイテムプロパティ】
1.『モーションブラーのグラフエディタ活用』
モーションブラーは動きに残像のようなブレを施す機能です。
主に素早い動きの残像などでスピード表現の効果を強調し易いです。
ブラー回数が増えれば増えるほど滑らかで綺麗な残像を作る事が出来ますが、1回増やすごとにレンダリングに掛かる時間が倍ぐらいになると思って慎重に使っていかないとレンダリングの負荷がかなり大きいです。
でも、あるフレーム間だけはブラーを強調したいという場合があると思います。
例えば遠くの動きなら少量のブラー回数で充分だけど、近くの動くのアイテムの動きにブラー回数を増やしたいという場合。
この場合はブラー回数のグラフエディタ【E】を開いてグラフチャンネルでキーを追加して数値を調整すれば必要なフレーム部分にブラーを強調することが出来るのです。
さらには一定数値のブラー回数よりもレンダリングスピードを早める事が出来るので一石二鳥です。
2.『被写界震度(DOF)のグラフエディタ活用』
近くにピントを合わせるか遠くにピントを合わせるか・・・一眼レフカメラと同じ理屈の機能です。
「焦点距離」でピントを合わせて、ぼかしの調整は「F値」で設定していきます。
前回の日記で「焦点距離」と「F値」をNullアイテムの移動で調整出来るようにしましたが、これもグラフエディタのグラフチャンネルがアイテム移動にリンクして調整されてる為、理屈はモーションブラーと同じです。
ここでレンダリングスピードに大きく影響があるのは「F値」です。
ピントのぼかしを綺麗に表現するにはアンチエイリアスの数値を上げれば済む事ですが、F値のぼかしが強ければ数値を上げて、弱ければ下げるとレンダリングスピードに無駄がありません。
3.『アンチエイリアシングのグラフエディタ活用』
アンチエイリアシングの数値が大きければ大きいほどレンダリングに時間が掛かります。
アイテムのアウトラインのアンチを滑らかにするだけではなく、DOFやモーションブラーにも大きな影響があるためアンチエイリアシングの【E】でモーションブラーとDOFに合わせてグラフチャンネルを編集すると飛躍的にレンダリングスピードが向上します。
注意:これら3つのグラフを弄るとレンダリングのシークエンス残り時間が遅くなったり早くなったりと正確な終了時間を出す事が出来なくなります・・・あくまで予想の終了時間なので正確な終了時間なんて普通にレンダリングしててもありませんけどね。(笑
【PC】
1.『PC熱による減速』
レンダリングの計算スピードに大きく左右するのがCPUですが、長時間稼働によるPC(主にCPU)の熱もレンダリングが遅くなる原因のひとつです。
新しいCPUクーラーに換えてからは熱を上手く逃がすようになって計算スピードが減速することはほとんど無くなりました。
しかし、普通の安価なリテールクーラーでは話にならないですね・・・熱でPCが壊れる原因にもなりますので3Dやってる人は自作の知識があると良いです。
市販パーツでも相性が良ければ高性能ワークステーションと同等に近い環境が作れます。
重要なパーツはちょい高めのものを買い、ケチれるところはとことんケチる。 見た目よりも中身重視です。
最初は安いパーツから組んで経験を積むのも吉ですよ。^^
2.『分散レンダリング』
複数のPCを使ってネットワークレンダリングする手法です。
LightWaveにはScreamerNetが標準で付いているので有難いですね。
新しくPCを買ったら試してみたいですがこれも良い点と悪い点がありそう・・・でも、使えると今までレンダリングに負荷が掛かりすぎて使えなかった機能が使えるようになるかもしれないですね。
やってみる価値はあると思います。
3.『PCを休ませる』
長時間のレンダリングを終えたら冷却をかねてPCの電源を落とす。
30分~1時間したら再びレンダリングを開始する。
特に、夏場ではレンダリングするフレーム間を決めて定期的にPCを休めるようにしています。
これで熱によるパーツのダメージを軽減させてPCを長持ちさせることが出来ると思います。
【小技】
1.『連番画像ならではの小技』
カメラがFix状態で画面に映るフレーム間で何も動いていない静止画部分がある場合は1枚の静止画だけでレンダリングが済みます。
後でそのファイルの名称にどこからどこまでのフレームか書いておけば連番→静止画→連番といった感じで動画編集ソフトで繋げることが出来ます。
2.『Full Precision Blurを使う』
Full Precision Blurを使うと画像イメージにブラーの効果を付ける事が出来る。
使い方次第で背景の球体にブラーをかけて擬似的なDOF表現を付ける事が可能になります。
【AfterEffectsでカバーする。】
AEは3Dソフトのお供に欠かせないツールです。
AEのプラグインが必要になってくる場合もありますがDOFやモーションブラーはAEで作る事が可能です。
アイテムや質感やマップに分けて細かくパーツ分けしてレンダリングしておくとAEでの微調整や修正が楽になります。
3Dソフトでは動画となる素材を作れば良いのですからLWに負担になる部分をAEが補えるのであればかなり楽になります。
ふぅ、ざっくりと上げたらこんな感じ・・・かな?
多分、抜けてる所があると思いますが僕がやってる事を大まかに載せてみました。
これが今の勉強と実践の成果ですが、まだ効率の良い方法があると思います。
それはまた追々見つけて改善していきたいですね。
今回の制作で結構マシンとツールを良い所まで限界に追い込んで使った気がします。
おかげで今まで見えなかった問題や改善点が沢山見つかった。
どうしてアンチエイリアシングに【E】があるんだろう?他の様々な機能にどうして【E】や【T】があるんだろう?と思っていましたが、これを上手い事使ってレンダリングスピードを向上させたり上手く見せたり動かしたりする事が出来るんですね。
これなら多少なりともLWで高クオリティな動画素材を出力することが可能になってきます。
性能任せでは無く、こっちからレンダリングを早くする方法を見つけていけば同じソフトでもまるで別物のソフトを使っているかのような飛躍的なスピードを実現する事が出来ますね。
【追記:2012/03/28】
シーンを新しく別名保存してカメラ内に映っていないアイテムモーション(フレーム内で動いているもの)を消して無駄な計算を省くのも有効な手段です。
例として、同じ設定のもので1時間半掛かっていたレンダリングを45分に抑えることが出来ました。
レンダー状態のパネルで計算されているアイテム名を見て計算する必要の無いアイテム、機能などオフにしたり、モーションキーを消したり、アイテムごと消してしまうとレンダリングの待ち時間を短縮する事が可能です。
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